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突然の訪問電話 |
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『常磐道を通る事があったら立ち寄って下さい』と二年ほど前に頼まれていたのを気には掛けていたのですが、東北道を通る事があれども、日立の方へはなかなか出向く機会がありませんでした。谷和原(やわら)の先での用事が思ったより早く済すみましたので、ダメもとで、出先から電話をしてみました。
「もしもし、ご無沙汰しております」。
「カイザーサウンドの貝崎です」。
「突然ですが、今近くまで来ております、ご都合さえ宜しければこれからお伺いしましょうか?」とK.Uさんに連絡を入れました。何せ急なものですから、電話の向こうではビックリしたような様子がありありと伺えます。
『あ・あ・ありがとう御座います・・・』。
『では、6時ぐらいには家に帰ってお持ちしております』。
後で聞くと早引きしたそうです。
部屋に通されてビックリしました。
本とCDで足の踏み場がないんです。
「ここは、寺島邸か!?」。
廊下にまではみ出た書籍類は凄い量です。 |
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腸ねん転を起しそう |
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また、部屋のコーナーに設置されたスピーカーの音を聞かされ、口にこそ出しませんでしたが、私は体がねじれるような、まるで腸ねん転でも起したような違和感を覚えました。なるほど、この方法ですと確かにフラッターエコーは出ないかもしれませんが、さりとて、楽器の美しい響きや倍音は生まれません。結果、NOT BAD止まりで、GOOD以上は望めません。
そうです、響きや倍音は同じような音が重なって生まれるものです。従って不協和音とは表裏一体の関係にあって、美しい響きの波の繰り返しと重なりから生まれます。故に反射面は無くてはならないのです。響きと感じるそのわずかな時間のずれが和音であれば、にじみと感じるほどの時間のずれが不協和音なのです。
このウェブの中でも何度か口にしておりますが、ボクシングのカウンターパンチと同じで、「肉を切らせて骨を絶つ」この絶妙なタイミングから生まれるのです。それを本能的に知っている音楽家(特にソリスト達)は、舞台の上で自分の立つ位置を変えることによって、音がホールの隅々まで響き渡るポイントを探り出すのです。
フラッターエコーや不協和音から避けて通る事の出来ない平行面を持った普通の部屋の構造では、根気よくスピーカーを前後に動かす中から美しい響きのする和音ポイントをつむぎだしてやるしかありません。
そのお手伝いをさせて頂くのが、
音を計る物差し「カイザーゲージ」です。
音楽を聞く事が好きな貴方の耳が有りさえすれば、
どんな部屋であっても見事な音楽再生が可能なのです。 |
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セオリーセッティングでお聞かせ |
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レイオーディオのKM1Vは過去に一度調教した事がありますので自信があります。見れば気になるところが一杯あって、「ああもすれば、こうもうすれば音が良くなるのに」と一人で勝手にむずむずしております。
今日は私の方から勝手に押し掛けたようなものですから、普段とは違って特別料金にてクリニックとセッティングをさせて頂きます。特にKM1Vはスタンド共々加速度組み立てを施してやれば大化けします。その手始めにこれからスピーカーの位置出しだけで音を作り出します。その結果を見て判断してください。
斜めに置いてあったスピーカーをセオリーどおりに壁面に平行に持ってきます。単線のケーブル類は思った以上に硬く、取り回しには苦労しましたが何とか結線を終え、スピーカーをチョイ、チョイと動かし、アバウトですが部屋中に音楽が響き渡るようにしました。これには信じられないといった顔をし、その手際の良さにあっけにとられているようでした。K.Uさんは数千枚のディスクをお持ちの無類の音楽好きですから、この音を聞いて心動かないはずはありません。
「これでもKM1V本来の能力からすれば30%ですよ!」。 |
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KM1Vが見せた真の能力 |
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そんな私の挑発するような数字に期待感を感じたのでしょうか、すっかり上機嫌のK.Uさんは、スピーカーの加速度組み立てを希望されました。スタンドを全部バラバラにし、ボルトナットの方向チェックに始まり、ワッシャまでチェック、各部品の右、左の相性を見ながら組み替えします。また、スピーカーの下に敷いてある白い布も除去します。これは音にも悪いが、見た目にも美しくありません。
元の位置にスピーカーを戻し、あらためて聞いてみますと何倍もの大きさのスピーカーが鳴っているようなスケールに変身したのです。細かく調べて行くうちに、さらに左の下のユニットだけ7時の方向にエネルギーが出ていることが判明しました。若干ながら右チャンネルのエネルギーが大きく感じていたのはこれで解消です。そのユニットを外し時計方向に90度回しただけで、まだネジ止めしていないのに一気に響き方が揃ったのが分かったそうです。 |
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今後のビジョンをどのように描くのでしょう |
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いつものように、ここまでは何一つ物の力を借りる事無く腕だけで作り上げた音です。出口の音は完成しましたので、入り口のCDトランスポートとアンプにPB-BOSSを入れて聞いて貰います。見とれるような、いや、聞き惚れるような音になりました。
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茨城県の日立は滅多に来れない地区ですので、ベストコンディションの音をこの際体験しておいて欲しいと思い、一気にケーブル関係の試聴まで入ります。スピーカーアタッチメントにデジタルケーブルです。どんどんと天井知らずに良くなっていく音には唖然として言葉にもならない様子です。
さてさて、これだけの夢物語のような音を知ってしまった、趣味に生きる独身のK.Uさんはこの先どんな行動を取られるのでしょう。なにやらオークションに出品して処分する物を考えているようでした。 |
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訪問御礼 |
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----- Original Message -----
From: K.U
To: info@rosenkranz-jp.com
Sent: Thursday, May 12, 2005 2:11 AM
Subject: 訪問御礼
カイザーサウンド 貝崎様
茨城のK.Uです。
先日は夜遅くまで大変御世話様でした。
突然訪問の連絡を頂き、それから半日は気持ちが舞い上がって仕事どころではなかったです。笑
あまりに雑然とした部屋で御願いするのも恐縮でした。かなり前からセッティングに悩み、自分なりに考えた配置で、まあこんなものかなと、それなりに満足していたつもりでしたが、御会いして直接御教示頂き、実際に音で示して頂いたことで、ローゼンクランツの手法の凄さがわかりました。
やはり音を聴いてみて本当に納得がいきます。
私のKM1Vは「これは化けますよ!」と仰っていたとおりになりました。
もともと気に入っていたSPですが、
貝崎さんの御力で潜在能力を一気に現してきたようです。
あのときの瞬間は凄く興奮しました。
何も物を使わずにあれだけの音が出てしまうともう冷静ではいられなくなります。でももしかしたら私のリアクションが今一つ鈍いとお感じになっていたかもしれませんね。あまり感情を表に出さない性格なんです。笑 感想をすぐにうまく言葉にできないでいましたが内心万歳!で、余りに凄くて唸っていたのです。
それにしても私のKM1Vと真剣勝負!している貝崎さんの姿は側で見ていて迫力がありました。
目の前でどんどん成長していくように音が変化し、魂が込められていくKM1Vは生まれ変わり、少し大袈裟に言うと、まるで幸せそうに鳴り響いて、音楽「まさに演奏」を部屋一杯に満たします。 普段のリスニング位置よりずっと後ろのキッチンの方から聴いた音がまた良いんです。 あのとき確か貝崎さんがカイザー指標値700(400でしたか?)と、仰ったと思いましたが、そのときはどのくらい高い数値かピンと来ませんでしたが、HPを読み返したら700だとしたら物凄いことなんですね。
デジタルケーブルとアタッチメントまで聴かせていただきましたが手応えありました!。
表現の繊細さと力強さが同居する演奏!。
PB-BOSSは即決で導入させていただきましたが、
これから徐々にもっとローゼンクランツの製品を取り入れていくつもりです。
これからこれだけ素晴らしい音で聴けて幸せです。
本当に感謝します。
ありがとうございました。
K.U |
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